暮らしの中の人権-刑を終えて出所した人等-
ポイント
- 刑を終えて出所した人等に対する偏見にとらわれていませんか。
- 刑を終えて出所した人等が更生し、社会復帰するために必要なことはなんでしょうか。
考えを深めるために
刑を終えて出所した人、執行猶予の判決を受けた人、非行を犯し保護観察処分を受けた人などに対する偏見や差別は、根強いものがあります。刑を終えて出所した人等は、地域の一員として生活していかねばなりません。しかしながら、偏見から、これらの人を就職をはじめとした社会復帰の機会から排除するなど、立ち直りをめざす人たちにとって現実はきわめて厳しいものがあります。時には、親族などからの援助が受けられないうえ、地域社会から拒否され、生活が行き詰まってしまったり、せっかく社会復帰をする努力をしても、前歴についてのうわさなどが流布され、本人の更生意欲がそがれたり、更生を阻害されたりすることがあります。
また、刑を終えて出所した人等の家族に対しても、犯罪や非行を犯した者の家族であるというだけの理由で、地域社会から差別的な扱いを受けることがあります。
刑を終えて出所した人等の更生と社会復帰のためには、本人の強い意志はもちろんですが、家庭、職場、学校、地域社会等の理解と協力が不可欠です。刑を終えて出所した人等やその家族に対する偏見や差別をなくし、刑を終えて出所した人等の更生と社会復帰に適した社会環境を築いていくことが大切です。