暮らしの中の人権-犯罪被害者等-

ポイント

  • 犯罪被害者やその家族の気持ちを理解していますか。
  • 犯罪被害者やその家族を、誤った考えで見ていませんか。

考えを深めるために

殺人、傷害、性犯罪などさまざまな犯罪の被害者やその家族は、身体や心に痛手を負ったり、家族が死亡するなど大変つらい思いをしています。また、犯罪被害者に対して、社会からの支援が少なく、これまでは社会の中で孤立してしまうことが多くありました。こうした、犯罪被害者やその家族が抱えるさまざまな問題については、社会的関心が高まっており、自治体や警察、関係機関・団体などによる犯罪被害者に対する支援活動が進められています。

しかしながら、犯罪被害者を被害に遭ったということだけで、よくないイメージで見たり、心ない中傷やうわさ話の対象としたりすることがあります。時には、家族がその対象となることもあり、犯罪被害者やその家族の孤立感・自責感を深めています。

犯罪被害者の心の傷の回復には、周囲の人々の理解と共感と支持が必要です。私たちも、いつ、どんな犯罪や事故に巻き込まれるかわかりません。犯罪被害者やその家族の視点に立って、その苦しみや不安、孤立感などを理解し、地域住民全体で、支えていくことができる社会づくりが求められています。

二次的被害とは?

犯罪の被害者(遺族の方を含む。)は、命を奪われる、けがをする、物を盗まれるなどの生命、身体、財産上の直接的な被害だけでなく、

  • 事件に遭ったことによる精神的ショックや身体の不調
  • 医療費の負担や失職、転職などによる経済的困窮
  • 捜査や裁判の過程における精神的、時間的負担
  • 周囲の人々の無責任なうわさ話やマスコミの取材、報道によるストレス、不快感

など、被害後生じるさまざまな問題に苦しめられます。このような問題を「二次的被害」といいます。なかでも、精神面での被害が深刻な問題の一つになっています。犯罪の被害を受けた後は、一種のショック状態が続き、身体にも心にも変調をきたすことが多いのですが、これは異常なことではなく、突然大きなショックを受けた後では誰にでも起こり得ることなのです。被害者は、励まされてもすぐに立ち直れる状況にないことが多いので、周りの人たちは、被害者を責めたり、無理に励ましたりすることなどを避け、被害者の心理などを理解して接してください。

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