暮らしの中の人権-障がい者-
車いすは邪魔?
太郎さんは車いすで職場から家に帰る途中、商店街へ買い物に行きました。
しかし、目当ての八百屋さんに行くと入口に段差があり、なかなか入れませんでした。
買い物客1「店の入口で邪魔ね。うろうろしないで欲しいわ。」と、八百屋さんから出てきたお客さんが言いました。
また、それを見ていた、買い物客が、友人と話しています。
買い物客2「車いすなんて、かわいそうやな。」
買い物客3「本当に・‥。」
もし、あなたが、その場にいたらどうしたいですか?
ポイント
- お店に段差があり、障がいのある人が入れないことについて、どう思いますか。
- 障がいのある人は、不幸なのでしょうか。
- 障がいのある人の自立と社会参加を進めるうえで、障壁となっているものは何でしょうか。
考えを深めるために
身体的、知的及び精神的な点において日常生活を営む上で支障があること、このような状態にあることを「障がいがある」といいます。私たちは、知らず知らずのうちにこのような障がいのある人たちとの間に心の壁(意識上の障壁)を作っていないでしょうか。
障がいのある人とのコミュニケーションは、最初とまどったり難しく思えることがあるかもしれません。といって、障がいのある人を避けたり、自分たちと違った人と思ったりすることも、どうでしょうか。例えば、あなたが、たまたまけがをしていつものように動けないことがあるように、障がいのある人は何も特別な存在ではありません。もちろん、その人の障がいの特性を考えてコミュニケーションの方法などを配慮することは必要ですが、「障がい者だから…」と考える前に、障がいのある人も、同じ一人の人間であるという当たり前のことを忘れてはなりません。
障がいのある人もない人も誰もが同じように住み慣れた地域であたりまえの生活ができるようにするというノーマライゼーションの理念を誰もが理解し、障がいのある人が生涯にわたって元気で自立した生活を送ることのできる社会づくりが求められています。