暮らしの中の人権-女性-
どうして女だけなの?
母親が、仕事から帰ってきました。
母親「早く、夕ごはんの支度をしなくちゃ。さちこちゃん、手伝ってちょうだい。」
さちこ「私、あしたテストなのよ。お兄ちゃんに手伝ってもらってよ。」
兄は、テレビゲームで遊んでいる。
父親は、新聞を読んでいる。
父親「勉強もいいけど、女の子は料理ができないとダメだよ。」
さちこ「どうして女だけなの。 お父さんやお兄ちゃんは、手伝わなくていいの?」
あなたが父親ならどう答えますか?また、あなたが母親ならどう答えますか?
ポイント
- 家事や育児は女性だけの仕事でしょうか。
- 女の子と男の子で育て方が違っていませんか。
- 女性が仕事を持つことへの理解と協力はできていますか。
考えを深めるために
男女平等が言われながら、「男は仕事、女は家庭」といった固定的な役割分担意識、「男が主で女が従」といった力の上下関係がいまだに根強く残っています。これらは、男女が性別にかかわらず個性や能力を発揮し、社会参画していくうえにおいて、大きな制約となっています。
女性が家庭を持って仕事を続けることについての理解も十分ではありません。働くことは生きる権利であり、経済的自立は精神的自立へとつながります。男女ともに仕事と家庭の両立が図れるよう、社会の支援や家族の協力が必要です。

雇用の分野では、就職・能力活用・昇進等で機会均等が確保されていない状況や男女間の貸金格差などが問題となっています。
また、女性を対等なパートナーと見ない考え方が、女性に対する暴力やセクシュアル・ハラスメントなどを引き起こします。
こうしたことは、女性の人権の問題であるとともに、男性の生き方をも含めた社会全体の問題として考えなければなりません。そして、対等な立場で、喜びも責任も分かち合う「男女共同参画社会」の実現をめざしたいものです。
今までの社会慣習や制度を見直すとともに、一人ひとりの人権を尊重し、家庭、職場、地域などあらゆる分野で男女が協力し、新しい関係を築いていくことが大切です。